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華麗なるギャツビー 映画レビュー

リメイク版はオリジナル版を超えているか?


泣ける度★★☆☆☆ オススメ度◎◎◎◎◎
華麗なるギャッツビー
監督/脚本 バズ・ラーマン
脚本 クレイグ・ピアース
原作F・スコット・フィッツジェラルド
製作総指揮 バリー・M・オズボーン、ブルース・バーマン
音楽 クレイグ・アームストロング

【映画解説】華麗なるギャッツビー☜公式サイトはこちら
F・スコット・フィッツジェラルドの名作、あの「グレート・ギャツビー」を
『ロミオとジュリエット』『ムーラン・ルージュ』のバズ・ラーマン監督が
レオナルド・ディカプリオを主演にリメイク
大富豪J.Gの絢爛豪華な世界を得意のビジュアル感覚で見事に再現している。

【映画レビュー】
コッポラ脚本の「華麗なるギャッツビー」を知らない世代には
結構おもしろい映画として観られたのでは?
でも、あの「華麗なるギャッツビー」を知っている私たちより上の世代には
なんか、役者が子供っぽすぎるように感じてしまうのは何故???

かくいう私もロバート・レッドフォードが演じたオリジナル版を
殆ど覚えていなかったので、DVDを借りて観直しました(笑)
その第一印象が昔のギャッツビーは大人っぽかったなぁ・・・でした

日本人もそうだけど、昔の人は今の人と同じ年齢で比べると
とても大人っぽく見えるのは、やはり精神的に大人だったから
ではないでしょうか?

私はけして“レオナルド・ディカプリオ”も嫌いじゃないし
“キャリー・マリガン”も「17歳の肖像」を観た途端
彼女のファンになったほどだが、
やはりこの役は“ディカプリオ”より
“R.レッドフォード”が似合っていたし
“C.マリガン”より“ミア・ファロー”の方が
弱いのに狡い女の役はハマっていた気がするのです。

でもバズ・ラーマン監督の美的センスとスケール感は
この世界的不況の時代に、全盛期のハリウッド映画か?と見紛うくらい
ギャッツビーの絢爛豪華な生活ぶりを描いていたし
「ロミオ&ジュリエット」や「ムーラン・ルージュ」のような
華麗なる美術セットデザインの奇抜さと色彩感覚はこの映画でも健在です。

2013年という今現在で描くギャッツビーの世界より
以前のギャッツビーの方が描いている時代が近かったということも
観ていて気持ちに入ってくる感覚に無理がないと
感じてしまうひとつの理由かも知れません。
というのも1974年当時はアメリカ文化のリアル情報は
今ほど日本には入ってこなくて
それを日本人が知るようになる雑誌のポパイやブルータスも
まだ発刊されていなかったから
アメリカで大儲けした富豪たちのド派手な生活ぶりに
あまり違和感は感じなかったのですが
情報化社会の現在ではアメリカのリアル情報が
ネットを通じて毎日のように日本に入ってくるので
この映画の描いている世界がとても昔の遠い世界に見えてしまうから
ではないでしょうか?

でも当時でもR.レッドフォードの友達だったラルフ・ローレンが
映画の台詞にも出てくるピンクのスーツを
衣装提供したことは話題になりましたよね
今作ではギャッツビーの衣装はブルックスブラザースらしいですが

あと、以前のジャック・クレイトン監督の演出なのか
コッポラの脚本がそうなっていたのか
事故を起こした時、運転していたのがギャッツビーだったのか
デイジーだったのかが何となくボカされていて
“トム・ブキャナン”の屋敷に突然現れた“ジョージ・ウイルソン”に
ブキャナンが入れ知恵して、その後ギャッツビーの屋敷に現れるという設定になっていて
ブキャナンの自分とデイジーの生活を守ろうとする姑息さが
殺されたギャッツビーの哀れさと無念さを増長させ
観客の涙を誘う設定になっているのですが
今作ではそのシーンはカットされていて
事故現場でマートルの死体を見たブキャナンのシーンでまとめられているのも
情報化社会故の省き方なのでしょうか?

いずれにしろ以前のギャッツビーを知らない若い世代の方達も
この映画を観た後でも観る前でもいいので
1974年に制作された『華麗なるギャッツビー』を
レンタルして比べてみるのもおもしろいと思いますが・・・

ps.
後から分かったのですが“L.ディカプリオ”って1974年生まれなんですね!
そういう意味でも何かと因縁めいた作品ですね!




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最新映画レビュー

黄色い星の子供たち 映画レビュー

同盟国といえどもヒトラーはやはり許せない!


泣ける度★★★★★ オススメ度◎◎◎◎◎
黄色い星の子供たち
監督/脚本 ローズ・ボッシュ
製作総指揮 マルク・ヴァドゥ
制作 イーラン・ゴールドマン

【映画解説】黄色い星の子供たち☜DVD情報はこちら
1942年、フランス政府によって行われたユダヤ人一斉検挙「ヴェル・ディヴ事件」を、
元ジャーナリストのローズ・ボッシュ監督が子どもたちの視点から描いた真実の物語。

【映画レビュー】
「劇場で見逃した映画シリーズ」ということで
DVDやTVで見たものもレビューしていこうかと思います。

今回はフランス映画の「黄色い星の子供たち」
題名を見て何で青い地球なのに黄色い星なんだ???
と砂漠か何処かで苦労する子供たちの話を想像していたのですが
映画を見て第二次世界大戦中にナチスに強制的に
胸に黄色い星マークを付けさせられていた
ユダヤの子供たちの話なのだと知りました。

私のブログ「泣ける映画で心の選択」という題のわりに
最近あまり泣けない映画が多くなっていましたが
この映画は泣けます!保証します!(w)

物語の舞台は1942年のドイツ占領下のフランス
フランス在住のユダヤ人たちは
フランス国籍を持つ人も外国籍の人も
すべて胸にユダヤ人を表す黄色い星を強制的に付けさせられています。

子供たちはその星を付けているがために
乗りたい遊園地の乗り物も、
遊びたい公園にも入る事ができず
明らかに純粋なフランス人とは差別を受けていました。

戦局が次第にナチス側に勢いが増すに連れて
その迫害は度を増していき
ついにはフランス在住のユダヤ人たちは
男女はもちろん大人も子供も区別無く
一斉に強制連行されて
パリ市内の冬季室内競輪場に入れられてしまいます。
これがフランスの汚点と言われている「ヴェル・ディブ事件」です。

連れて行かれたパリ市内の冬季室内競輪場に
1万3千人以上のユダヤ人が水すらも与えられずに閉じ込められます。
中では養老院、精神病院を始め、
病院で麻疹、猩紅熱、水疱瘡、チフスなどの治療中の人まで
強制的に連行されており、衛生状態も劣悪な環境なので
あっという間に感染患者が増え
それを治療する医者も制限されて治療が間に合わない状態
患者数千人に対してユダヤ人医師がたったひとり
看護師はたった5人という生き地獄のような中
ひとりのフランス人看護師が自ら志願して
その治療の手伝いで派遣されてきます。

その看護師“アネット”を演じているのが
あの「オーケストラ」で見事に天才バイオリニストを演じ切った
ユダヤ系女優“メラニー・ロラン”で
なんと彼女の祖父はアウシュヴィッツに強制収容されていた
という事実も、彼女の迫真の演技に
大きく影響しているかも知れません。

フランス人側もナチスドイツの
言いなりになっている人ばかりではなく
ホース検査にきた消防士たちは
フランス軍の止めるのも無視して
消防用のホースから水を出してユダヤ人たちに分け与えます。
彼らはユダヤ人たちに手渡される離ればなれになった
家族へ当てた手紙やメッセージをそっと制服の中に隠し
隊長の指示のもとパリ郊外からポストへ投函する役目を
勇気を持って請け負います。


間もなくユダヤ人たちはさらに厳しい
ロワレ県のボーヌ・ラ・ロンド収容所へ移送させられます。

そこでの環境も劣悪で育ち盛りの子供たちにとって
けして満足のいく量の食料も与えられません。
そんなユダヤ人たちに対する扱いに怒りを覚えたアネットは
自らも彼らと同じ食生活をして激痩せした身体で
フランス知事に直訴しにいきますが
そんな努力も空しく、やがて親たちは子供たちと引き離され
アウシュビッツへと移送されていきます。

アウシュビッツでナチスドイツが
ユダヤ人たちをガス室で大量虐殺していたのを
フランス市民が知るのはドイツ軍の敗色が色濃くなっていく
戦争末期になる頃らしく
当時はひとりでは生活できない子供たちが
両親と離ればなれにされる事の方が
人道的に避難されるから早く親の元へ移送させてやるべきだ
という何とも言えない正義感がこの映画では描かれていて
子供たちが10日後に親たちの元へ移送されるのを
フランスの上層部は喜んで拍手するシーンがありますが
あくまでフランス軍部はナチスドイツのユダヤ人大量虐殺を
知らなかったようになっています。


子供たちが強制移送される朝、
アネットが熱を出して倒れてしまい
ボーヌの医務室で治療してくれた医師にはじめて
移送先で親たちはとっくに殺されていて
子供たちもその後を追うことになる事実を聞かされ愕然とします。
そんな人道に反する事は「連合国軍が認めない」と言うアネットに
医師が「連合国の優先順位はまず戦争を止める事」
と答えるシーンを見ていて
戦争末期に東京を始め市民を無差別に殺す目的で
連合国代表のアメリカ軍が106回も行った絨毯爆撃や原爆投下は
ユダヤ人を無差別に大量虐殺したナチスドイツと
果して人道的にどう違うのか?
という疑問が湧いてきたのは、
祖母と伯母を1945年3月10日の東京大空襲で亡くした
私だけが感じた事なのでしょうか???


ラストはドイツ軍が降伏した後のパリの赤十字の建物に、
生き残ったユダヤ人が自分の家族の消息を
確かめに来ているシーン
戦争という大きな渦の中に巻き込まれて
喪失感と寂寥感しか残っていないアネットの心に
一筋の光明が射すかのような出来事が起こります。

そのシーンに流れるドビュッシーの「月の光」美しいメロディが
過ちを犯した人類の心を諭すかのように
胸に深く滲みいってきます。

ラストタイトル前に
ヴェル・ディブの1万3000人のうち、生存者はわずか25人
列車に乗った4051人の子供は1人も戻らなかった
ヴィシー政権とドイツ軍は2万4000人の検挙を計画したが
あの朝 勇敢なパリ市民たちは1万人のユダヤ人を匿った

というスーパーが流れますが
アウシュビッツで虐殺されたユダヤ人は近年の発表では150万人
ヨーロッパ全体では600万人にも達すると言われています。

東京大空襲の犠牲者は10万人、
広島・長崎の原爆の犠牲者は34万人という
その殆どが兵士ではなく民間人という事実も
戦争という狂気を語る上で忘れてはならない事実だと思います。




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