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アメリカン・スナイパー

なぜ『アメリカン・スナイパー』はアカデミー賞を取れなかったのか?


泣ける度★★★★★オススメ度◎◎◎◎◎
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監督 クリント・イーストウッド
脚本 ジェイソン・ホール
原作 クリス・カイル、スコット・マキューアン、ジム・デフェリス
製作 ティム・ムーア、ジェイソン・ホール、シェローム・キム
ブルース・バーマン


【映画解説】アメリカン・スナイパー☜公式サイトはこちら
アメリカ軍で最強の狙撃手と呼ばれアメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズ所属の
スナイパーであったクリス・カイルが、イラク戦争で数々の戦果を挙げながらも
心に傷を負っていくさまを描いた自叙伝的ムービー


映画レビュー
この映画を観るまでイラン・イラク戦争は日本人の私にとっては
対岸の火事的できごとだったが、
本作を見て今の米国が抱えている陰の部分を垣間見た気がする。

ベトナム戦争の悲惨さや、それによって被った元兵士の精神的、肉体的疾患を
取り上げた映画は何作か観てきたが、
イラン・イラク戦争のもたらした米国への影響を扱った映画は
あまり観る機会がなかった。

アカデミー賞を獲得した爆弾処理班の精神的苦悩を描いた「ハート・ロッカー」や
帰還した兄のPTSDを描いた「マイ・ブラザー」が記憶に新しいが、
それ以降では特に話題になったイラン・イラク戦争映画はなかったのではないか?

本作は、そのイラン・イラク戦争を題材に、元兵士でネイビー・シールズの狙撃兵
“クリス・カイル”の半生を描いているが、
映画の中で使用されている「レジェンド」という言葉とは裏腹に
イーストウッド監督は彼のこともイラン・イラク戦争もけして賛美はしていない
むしろイラン・イラク戦争がもたらした米国の光と陰を繊細に描いている。

主人公の“クリス・カイル”は実在の人物でレジェンドと呼ばれ、
敵を160人も射殺した伝説のネイビー・シールズ狙撃兵だ。
最前線で敵に向かう兵士たちにとっては
自分の身辺を遠くから見張り、危ない時は間一髪で敵を射殺してくれる。
これほど頼もしく心強い見方はいないだろう。

だが味方にとっては頼もしく誇らしい狙撃兵も、
全世界の平和的な観点から見れば、
敵兵を含め人間を160人も殺した殺人者なのだ。

そんな彼等に課せられている任務は想像以上に彼等の心に負担をかけ
蝕んでいるということが、本作でも浮き彫りにされている。
それ故に自分の妻や子供との平和な暮らしとのギャップに悩み、
自分でも知らないうちにPTSDに陥ってゆく。

米国内でも本作は賛否両論が飛び交い、評価は真っ二つに別れたという。


つい先日、ヨーロッパ旅行から帰ってきた息子が、
飛行機内で「バードマン」や「イミテーション・ゲーム」が観られるのに
なんでこの「アメリカン・スナイパー」を観られないのか疑問に思っていたら、
隣席のフランス人との会話で「私はアメリカン・プロパガンダ的な映画は絶対観ない」
という一言に妙に納得したと言っていた。

本年度のアカデミー賞をこの映画に与えたら
全世界から米国に嵐のような批判が相次いでいたのでは?
本作がアカデミー賞にノミネートされただけで終わったのは
そんな理由かも知れない・・・?




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