映画 『第9地区』 レビュー

人種差別の行きつく先にあるものは・・・?


泣ける度★★☆☆☆ オススメ度◎◎◎◎◎
第9地区
監督・脚本 ニール・ブロンカンプ/脚本 テリー・タッチェル
製作総指揮 ピーター・ジャクソン、ビル・ブロック 、ケン・カミンズ
音楽 クリントン・ショーター



【概要】
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのピーター・ジャクソン製作
南ア生まれでアパルトヘイトを知る新鋭ニール・ブロムカンプが脚本・監督を行った
今も世界の至る所で続いている難民問題を彷彿とさせる異星人難民SFムービー


【レビュー】
ついに人間は宇宙人にまで差別をするようになり
その結果このような事態を招いてしまうという
予言めいた内容の映画に感じた。

なんで人は差別をしたがるのだろう?
日本のような島国で四方が海で囲まれていると
あまりいろいろな人種が共存する環境にはなりにくく
ヨーロッパやアメリカのような大陸で他国と陸続きだと
当然のように自国に自分とは違う肌の色や目の色や髪の色の
人びとと共存する環境が生じるだろう

太古の昔から人は
自分と違う姿かたちをした人間を警戒した
それは、もしかしたらその人間が自分よりも
身体的にも、知能的にも、技術的にも
優れたの能力を持っていた場合
自分の地位が脅かされるからではないか?

自分とは違う環境で育ち
自分とは違うものを食べて
自分よりも優れた運動能力で
自分の知らない知識を持ち
自分にはない技術を持っているとしたら
それらにすべての面で負けてしまうのは
火を見るより明らかで
そうなる前に拒絶し排除してしまおう
という思想が差別の根幹ではないのか?

もし仮にこの映画の宇宙人が“エビ”ではなく
姿かたちも人間と変わらなかった場合
地球人はどんな対応をしたのだろう?

どんな理由があるにせよ
ヨハネスブルグ上空に宇宙船で突然現れ
やむを得ず難民として地上で暮らすことになった彼らが
地球人よりも知能も技術も劣っているわけはなく
そんな彼らを28年間もスラム街に隔離し差別してきたこと自体が
人類の驕り以外の何物でもない


第9地区


エイリアンの強制移住の責任者を任命された“ヴィカス”は
最初は逆らえば“抵抗”を理由に簡単に彼らを殺していたが
あることきっかけ立場が逆転したとき
初めて彼らの気持ちを理解し、今までとは違う行動に出る
差別している側は差別されている側に立たなければ
彼らの立場や悲痛な気持は絶対に理解できない
“ピーター・ジャクソン”と“ニール・ブロムカンプ”は
難民エイリアンという題材を使い
そんなメッセージを驕れる人々に伝えたかったのではないか?

理解し難い近未来のこの複雑な状況を
インタビューという手法を用い
短時間で観客に解からせるブロムカンプという新鋭監督の手腕は
短い秒数でコンシューマーを説得してきた
CM出身の監督ならではのものでは?


奇しくもエイリアンの難民生活年数と
“ネルソン・マンデラ”氏の拘留年数を同じにした揶揄めいた表現に
彼の伝えたい何かを感じたのは私だけではないはず

でも宇宙時間にしてみれば28年はあっという間なのかも・・・



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