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孤高のメス 映画レビュー

日本人の心に響く“サムライ魂”ムービー!


泣ける度★★★★★ オススメ度◎◎◎◎◎
孤高のメス2
監督 成島出/脚本 加藤正人/原作 大鐘稔彦


【映画解説】
自身が現職の医師で、誰よりも医療事情に精通している大鐘稔彦の同名小説を基に
地方の市民病院に勤務する外科医が旧弊な医療現場で困難な手術に立ち向かうさまを描き
現代の医療問題に鋭く切り込む衝撃的な医療ドラマ


【映画レビュー】
われわれ日本人の心に響くものとは何だろう?
たぶんそれは
遠く武士の時代から受け継がれてきた
“義”の心なのではないか?
孤高のメス』を観ていつの間にか流している涙は
自分の中にあるそんな“義”の部分の
琴線に触れた涙なのではないかと思う


昔から邦画の代表である時代劇も、やくざ映画も、戦争映画も
私が感動する映画は必ず“義”の精神が描かれている

本当はだけれどのために断腸の思いで
仕方なくするというパターンだが
パターンが分かっていても、いつの間にか泣いている自分がいる
そんな“義”の精神の裏にある
無念さ、誠実さ、潔さに、我々日本人は(私だけ?)
感動し、納得し、涙を流してしまうのではないか?

本作の描いているのは
その種の“忠義”の“義”ではないけれど
人の命を救う為に
たとえ殺人罪に問われる可能性があっても
自分の医師生命を捨てる覚悟で
違法行為である脳死肝移植の手術に臨む
外科医“当麻鉄彦”(堤真一)の
医師として信念を見事に描いている

「目の前に助けて欲しいと願う患者がいたら
全力で救おうとしなければ医師ではない」と言い切る当麻
それは医師という“人の命”に係わる仕事に真摯に向き合う
当麻鉄彦の外科医としての、ある種の“義”なのだ

アメリカ帰りの優秀な外科医なのに
地域医療に身を捧げるため
あえて、古びた漁村のさざなみ市民病院にやってきた当麻
それは、制約の多い都市部の大学病院に
疑問を持ったからだけではなく
彼が医師を志す決め手となった
幼い時のある出来事が大きく影響している

そのエピソードを自ら友人に語るシーンでは
この医師の外科医としての信念
“救える命は絶対に救う”という志の高さが垣間見られ
誰もが心を熱くさせられる

身近な人や本当にたいせつな人を救えなかったり
自分自身が、生死の間をさまよっった末、助かった人が
ひとりでも多くの命を救いたいという強い願いから
医師を志し、やがて誰もが認める名医となるとき
“命”に対するその執念は普通の医師とは格段に違う

タイトルの『孤高のメス』は
まさにそんな患者の命を救う外科手術に
その人生をかけた医師の物語にふさわしい!

演出も構成もキャスティングも完璧といえる本作

病院に勤めながらも、たらい回しにされた揚句
亡くなってしまう“弘平”(成宮寛貴)の母である
看護婦の“中村浪子”(夏川結衣)の葬儀のシーンから
映画は始まるのだが、当麻医師の助手を務めた
その母の残した日記を弘平が見つけ
読み始めることで浪子のストーリーテラーという形で
物語は展開してゆく

日記が語られるに連れて
当麻鉄彦の手術手腕の見事さ
誰にも媚を売らず、すべての人に平等に接する人柄
いつでも患者の容態を最優先する
医師としての真摯な姿勢などが
段々と分かってくる

孤高の医師“当麻鉄彦”役の堤真一
少しでもその役に立とうと一生懸命助手を務める
看護婦の“中村浪子”役の夏川結衣
苦渋の決断で脳死した息子の臓器提供を申し出る
母親“武井静”役の余貴美子も
他にはいないという最高の配役と最高の演技で
この映画の感動を何倍にもしてくれている

手術シーンも実にリアルで
その手際の良さと真に迫る映像で
堤真一も夏川結衣も本物の医師とナースか?と見紛うほどだ

孤高のメス3


私も鑑賞後に知ったのだが
手術中にガーゼを並べるガーゼカウント
(患者の体内に針やガーゼが残らないように
、 手術中は針カウントとガーゼカウントを行うのが基本)
など、実際の手術に基づいた演出をリアルに行っていて
その辺の監督のこだわりが
本作をより本格医療ドラマに仕上げている

そして観ていて熱くさせられるのは
当麻の見事な手術を目の当たりにし、それを手伝ううちに
周りの医師や看護婦たちが
それまで諦めていた“命”に対する取り組み方が変わっていくこと
特にストーリーテラーも兼ねている浪子自身の仕事に対する意欲
昔は嫌だった手術の助手が、当麻医師と共に命を救える喜びに変わっていき
母子家庭で帰りの遅い母を、泣きながら保育園で待っていた息子の弘平が
その母の変化を敏感に感じ、笑顔で母を迎えるようになっていく様子など
ひとりの外科医“当麻鉄彦”がこの病院で働く人たちを始め
この村の人たちに与えた影響が計り知れないことが
観ている私たちにも、ひしひしと伝わってくる


この映画の描く1989年当時は
日本の地域医療のレベルも、都市部の大学病院とは
今よりも格段に差があったのかもしれない
大都市の大きな病院だったら助かったはずの命が
地方の医療設備も整っていない小さな病院だったために
助からなかったケースは多々あったろう
特に直接手術で執刀する外科医の
オペの手腕によってその明暗は大きく左右されただろう


20年余りの歳月の間には
様々な医療事故などの問題も、いくつか耳にした記憶がある
でも、今や地方都市にも医療設備が整い
安心して手術が受けられる病院も数多く生まれた

医師不足問題が叫ばれている昨今だが
本作の弘平がそうだったように
当麻鉄彦のような高い志を受け継ぐ医師たちに
もっともっと登場してもらい
信念を持って“人の命”を扱う仕事の大切さを
未来永劫、受け継いでいって欲しいと強く感じた
珠玉の日本映画である







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