カラフル 映画レビュー

今のジブリより数倍泣けて、数倍刺さる、感動アニメ作品



泣ける度★★★★☆ オススメ度◎◎◎◎
カラフル



【映画解説】
直木賞作家・森絵都のベストセラー小説を原恵一監督がアニメーションでリメイクした感動大作
突然現れた天使により、自殺してしまった少年の体に“ホームステイ”することになった主人公の
心の旅をアニメならではの細かな映像表現で描く



【映画レビュー】
いじめによる自殺者が後を絶たない日本の学校
いや、学校だけではない
職場でも“いじめ”は存在し
うつ病になり仕事を続けられない社員が急増しているという

まわりの人と少し違うこと
それを個性と受け取るか異分子と受け取るか
それはその国の集団社会の目に見えない不文律のようなもの
昔から村社会として発展してきたこの国は
けしてそれを個性とは捉えず異分子として排除してきた
そうでないと村社会が崩れてしまうから?
集団をまとめることができないから?
そんな村社会の悪習慣は
身体的に他の人と違う人にも向けられ、差別や隔離したりしてきた
もしかしてそれは一種の種族保存本能とでも言うべき行動なのか
自分たちと違う何かを持っている人に対する本能的恐怖なのか
現に過去に天才と言われた画家や音楽家には
普通の人には見えないものが見えたり
聞こえない音が聞こえたりしていたという

カラフル』の主人公“小林真”も
小さいころから絵が好きで、ひとり静かに絵を描き続けていた
やがてそれは他の人より秀でた才能となり
彼の絵の上手さは誰もが認めるところとなった
一人の時間を大事にしたために
他の人とのコミュニケーションが取れなくなったのか
彼の絵の才能を嫉んだ結果が
いじめというカタチで現れたのかは解らないが
友達もいなかった彼は中学校という集団の中で
3年間ずっといじめられている
そんな彼の唯一の安息地は美術部の教室
その教室の端でキャンバスに向かい絵を描いているときだけが
誰にも干渉されずに自分でいられる時間

だが、少し憬れていた同級生の“桑原ひろか”と
信じていた母のあるショッキングな場面を目撃してしまい
ずっと耐えてきた彼の中で何かが崩れ
ついに自殺に踏み切ってしまう


映画は前世で罪を犯し、輪廻のサイクルに入ることができず
もう一生、生まれ変わることはできない魂が
その判断をされるぎりぎりの場所で
“プラプラ”という天使?に呼び止められ
もう一度だけ“ホームステイ”というカタチで
やり直す機会を与えられる場面から始まる

その魂がやり直す機会として与えられた肉体が
この“小林真”なのだ
“真”の肉体を与えられた魂は
はじめは以前の“真”の性格や行動に反発を覚え
まったく違う人間として行動するが
しだいに以前の“真”の境遇や性格
何で自殺に至ったのか?などを知るに連れ
モノの見方や考え方が変わってくる
その大きなきっかけとなったのが
中学3年間で初めてできた友達“早乙女”の存在だ

ひょうひょうとした性格でわが道を行くタイプの早乙女は
真がハブられていることなど気にもせずに
偶然出会った駅で声をかけてくれる
成り行きで早乙女に付き合うカタチで玉電の跡地を散策し
お互いの事を語り合いながら
しだいに心を開いていく真と早乙女
友達という存在のたいせつさに初めて気づいた真は
自殺未遂から生き返った自分を気遣ってくれる家族や
以前から気にかけてくれていた佐野唱子に対する接し方が
間違っていたことに気づかされる

人を思いやる気持ちや、やさしさは
自分もそれを心から有難いと感じる経験をしないと
気づかないのかも知れない


中学生という多感期には何でも語り合える友達という存在が
どれほど大切か?
自分も中学生のときの有る事件をきっかけに、すべての友達がいなくなり
この世に自分ひとりだけ取り残されたような思いに苛まれたことがある
そんなとき、別の友達からのたった一本の電話にどれほど救われたか
「何してんの?」という何でもない会話だったが
自分の事を気にかけてくれている友達がたった一人でもいてくれたことを
心の底から有難く思い、ギリギリのところで救われた経験がある

それだけにラスト近くの食卓で
自分の進路を心配してくれる家族に申し訳なく思いながらも
自分の本当の思いを語る真の気持ちは
痛いほど伝わって来て、涙で画面が滲んでしまった


人種の坩堝であるアメリカの社会は
キンダーガーデンの頃から
人と違ったものを持っている子供を
けして無理して皆と同じように直させることはせず
個性として認め、伸ばすようにするという
当然、ハンディキャッパーも個性として認められ
隔離せずに皆と同じ教室で
皆と同じような教育を受け
皆と同じように生活をしているので
ハンディ部分は皆が自然と協力し補っていく
本作の『カラフル』という題名のように
みんなと違う色
その色を認め合うことこそ
この国にも、今、いちばん必要なことなのだ

いいかげん日本の教育現場も
都立や県立の東大・京大コースへ何人合格させられたという
点数至上主義的な集団重視教育を改め
個性を認め、それを伸ばすような教育へ変われれば
集団が異分子を排除するような流れに
歯止めをかけられるのではないのだろうか?

と、いろんなことを考えさせられた
現中学生には、もちろん
元中学生にも、ぜひ観てもらいたい
心に刺さる感動の問題作品だ!




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