ノルウェイの森 映画レビュー

村上春樹はこの映画に納得したのか???


泣ける度★☆☆☆☆ オススメ度◎◎
ノルウェイの森
監督・脚本 トラン・アン・ユン/原作 村上春樹/音楽 ジョニー・グリーンウッド


【映画解説】 公式サイトはこちら⇒
映画化は難しいと言われた、村上春樹のベストセラー「ノルウェイの森」を
『青いパパイヤの香り』などのトラン・アン・ユン監督が映画化
主人公の青年の愛と性、生と死をみずみずしい世界観で叙情的につづる


【映画レビュー】
映像は美しく
役者も悪くない
純粋に映画だけ観れば、完成度は高いと思う

だけど、これは村上春樹の伝えたかった
『ノルウェイの森』ではない・・・と私は思う


原作を読んだのは、もうかれこれ20年以上前なので
細かい部分の記憶は定かではないけれど
この本を読んだときの私の第一印象は
心を病んでしまい、自殺してしまった人たちより
普通に生きている人たちの方が
本当はまともではないのではないか?
というものだった

人はピュアな心の持ち主ほど
人を深く愛することができ
そんなピュアな心を持っている人ほど
身近な人の死で深く傷つき
まともではいられなくなってしまうのでは?
身近な人が死んでも、平気でいられる人は(本当は平気ではないが)
それだけ、人として純粋な部分を失くしてしまっているのでは?
人を深く愛せないのではないか?

どちらがまともで、どちらがおかしいのか?
読んでいるうちに判らなくなってくる
そんな思いにさせられる村上春樹の文章力に
とても驚き、感動させられた記憶がある


このトライ・アン・ユン監督の『ノルウェイの森』には
観ている人をそんな思いにさせるような
心理的描写のやりとりが、あまり無い
言葉のひとつひとつに
相手の心を慮るような、心の動揺や、葛藤は
感じられない・・・

村上春樹のあの独特の文体を
映画の脚本にして台詞にするのは
やはり難しいのか???


私はべつに村上春樹ファンではないし
むしろあの独特の言い回しが、あまり好きではないが
『ノルウェイの森』を読んだときには
言葉で頭を強くなぐられたような
そんなショックを覚えるほど
彼の感性と文章力に、感心させられた

映画では難しいのかもしれないが
ワタナベと直子の台詞のやり取りに
精神を病んでいる人と、病んでいない人の
どちらがまともで、どちらがまともではないのか
観ている私たちが判らなくなってしまうような
『インセプション』的だまし絵の
言葉遊びみたいなものが、もっとできなかったのか?
が、少し残念な気がした・・・


世界的に支持され、多くのファンがいる村上文学
その代表的な作品である『ノルウェイの森』だが
原作も読まず、何の先入観も持たずに
純粋に映画として観るならば
3人の巧みな役者たちの台詞の
微妙な言い方やニュアンスと
『青いパパイヤの香り』にも負けない
美しい映像との相乗効果で
トライ・アン・ユン、ワールドに浸れるかも知れない・・・





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