あしたのジョー 映画レビュー

時間の短さと時代とのギャップが少し辛い・・・!?


泣ける度☆☆☆ オススメ度◎◎
あしたのジョー


【映画解説】 公式サイトはこちら⇒
あの伝説のボクシング漫画「あしたのジョー」を『ピンポン』の曽利文彦監督が実写映画化
ジョーを山下智久、力石徹を伊勢谷友介が徹底的な肉体改造で熱演することも話題に!


【映画レビュー】
昭和30年代前半生まれの私は
正に『あしたのジョー』世代と言ってもいいくらい
連歳マンガもTVアニメも、いつも食い入るように見て育ったひとり
山ピーと伊勢谷、二人の主役の肉体改造が話題になっている実写版を
楽しみにして、早速、鑑賞してきた。

第一印象は制作者たちが原作をリスペクトしている感じが
ひしひしと伝わって来て
思っていたほど原作とのギャップを感じなかった。
特に驚いたのは香川照之の“丹下段平”だ
特殊メイクを施したとはいえ、仕草も声も
原作のイメージのまんまで
改めて香川さんの演技力に感服させられた。

二人の主役の肉体美も前評判通り素晴らしく
短期間によくここまでカラダを作り上げてものだと
こちらも感心させられた。

元々プロボクサーの身体は相手のパンチを防御するために
鍛え抜かれた筋肉の鎧で覆われているから
あれほど美しく見えるもの
主役の二人の正面から見た身体は
プロボクサーにも引けを取らないくらい美しく鍛え上げていた
ただ、パンチ力を司る背中の筋肉は
さすがにプロとは違っていたようだが・・・

惜しむらくは時間の短さ
原作を読んだときに感じる
それまでは何にも熱くなれなかったジョーが
力石との出会いによってボクシングに目覚め
題名どおり、段平のおっちゃんと
“あした”を掴むために懸命に努力していく姿
すでにボクサーとしてスーパースターの座に居る
力石に1歩1歩近づくために
ボクシングに打ち込むひたむきなジョー
やっと試合にこぎつけて死闘を演じた末、力石のアッパーに敗れるが
目標の相手と戦った充実感と悔いの無い満足感を味わうジョー
だが、その試合であろうことか力石が亡くなってしまい
絶望感と罪悪感に苛まれるジョー
その後、目標を失い、抜け殻のようになってしまうジョー
そんな矢吹丈の微妙な心理が、映画からはイマイチ伝わってこない
前篇・後編に分けてでも、時間をかけてその辺りの
やっと“あしたを掴む感”がもう少し描けていたら
もっと感動できたのではないか?

あと気になったのは、時代背景のズレだ
私が育った昭和30年~40年は
戦後10年が経ち、世の中が高度経済成長へと
ひた走っていた時代
儲かる企業はとんでもなく利益を上げていき
大学出の一流企業のエリートたちはどんどん暮らしが良くなっていく
その陰で、相変わらず集団就職で田舎から出てきた人たちは
工場や零細企業で低賃金でこき使われていて
プロボクサーの世界チャンピオンという快挙は
そんな貧乏暮らしから抜け出せる数少ない
競技のひとつだったからこそ
血だらけで撃ち合うボクサーたちに
頑張っている自分を投影しながら
観ている人たちを熱くさせられた。

本作のドヤ街の設定も
世の中にはそういう暮らしもあるんだなぁと
子ども心に、妙に納得して観ていたが
現在のように殆どの国民が豊かになって
日本の若者が工場勤めを嫌がるような平成時代に観ると
とても違和感を感じてしまうのは、私だけではないはず
やはりこの物語は昭和という
すべての日本人が目標に向かって頑張っていた時代に観てこそ
心を揺さぶられる物語だったのだと
改めて気付かさせらた。


TVアニメのジョー役の“あおい輝彦”の不良っぽいしゃべりや
力石役の“仲村秀生”の妙に大人っぽいしゃべりが完璧だっただけに
実写版の俳優とどうしても原作のキャラクターを比較してしまうが
マンモス西と白木幹之介は
原作のイメージとそう違和感はなかったものの
勝気な女のイメージが強い香里奈の“白木葉子”と
貧乏暮らしを感じない西田尚美の“食堂の女将”が
ちょっと違和感があり、キャストミスか?

あと倍賞美津子が演じたが一言も台詞がなかった“花村マリ”は
原作にも出てなかったと思うのだが、何者だったのでしょうか???





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